LLMO Check

BtoB製造業のためのLLMO(GEO)診断チェックリスト24項目

文・監修: 公開日:

生成AIに自社の製品や技術について質問しても、自社の名前が出てこない。この状態を改善する第一歩は、自社サイトが生成AIに読み取れる構造になっているかを確認することです。本記事では、BtoB製造業のWebサイトに絞ったLLMO(GEO)診断チェックリスト24項目を公開します。項目数を増やすことよりも、製造業のサイトでつまずきやすい箇所に絞ることを重視しました。

(最終更新:2026年7月28日)

なぜ製造業のサイトはAI検索で引用されにくいのか

製造業のWebサイトが生成AIに読み取られにくい4つの構造。技術情報がPDFの中にある、仕様表が画像になっている、製品ページに型番と数値しかない、用途からたどれる導線がない。

生成AIは、Web上に公開されているテキスト情報を参照して回答を組み立てます。裏を返せば、テキストとして読み取れない情報は、存在しないのと同じ扱いになります。

BtoB製造業のWebサイトには、この点で不利になりやすい構造的な特徴があります。

技術情報がPDFの中にある

カタログや技術資料をPDFで配布し、HTMLページとしては提供していないケースです。人間はPDFをダウンロードして読めますが、生成AIが参照しやすいのはHTMLとして公開された情報です。自社の技術的な強みが、最も詳しく書かれた資料の中に閉じ込められている状態になります。

仕様表が画像になっている

製品仕様の一覧を、レイアウトを崩さないために画像として貼り付けている場合です。表としてマークアップされていれば読み取れる情報が、画像の中では判別されません。

製品ページに型番と数値しかない

型番、寸法、材質だけが並び、「どういう課題に対して使われるのか」の説明がないページです。生成AIは、その製品が何を解決するのかという文脈を取れません。検索する側は型番を知らないまま「〇〇ができる部品」と尋ねるため、両者が接続されません。

用途からたどれる導線がない

サイトの構造が自社の型番体系だけで組まれている場合、検索する側の語彙(課題・用途)と一致しません。

診断の進め方

以下の24項目に、「はい」「いいえ」「該当なし」の3択で回答してください。

  • 「該当なし」は、そもそも自社に存在しない要素(例:動画を掲載していない、カタログPDFを配布していない)に対して選びます
  • スコアは「はい」の数 ÷(24 − 該当なしの数)で算出します
  • 一部の項目は、表示された画面からは判定できません。確認方法を各項目に記載していますので、あわせてご確認ください

診断は5つの観点で構成されています。

観点 項目数 内容
1. 技術的アクセシビリティ 4 生成AIのクローラーが情報を取得できるか
2. 構造的可読性 5 情報の構造を読み取れるか
3. 引用可能性 6 引用しやすい形になっているか
4. マルチモーダル 4 図版・画像の情報が伝わるか
5. 権威性・ブランド 5 発信主体として認識されるか
LLMO(GEO)診断の5つの観点と項目数。技術的アクセシビリティ4項目、構造的可読性5項目、引用可能性6項目、マルチモーダル4項目、権威性・ブランド5項目の計24項目。引用可能性が最も差の出やすい観点。

診断チェックリスト(24項目)

1. 技術的アクセシビリティ(4項目)

生成AIのクローラーが、そもそも自社サイトの情報を取得できる状態かを確認します。

# 項目 確認方法
1-1 robots.txtでAIクローラー(GPTBot/ClaudeBot/PerplexityBot等)を拒否していない 自社ドメイン/robots.txt を開き、User-agentの指定を確認
1-2 主要ページの本文が、JavaScriptを実行しなくても取得できる ブラウザで「ページのソースを表示」し、本文テキストが含まれているかを確認
1-3 Organizationの構造化データが実装されている Googleのリッチリザルトテスト、またはソース内で application/ld+json を検索
1-4 カタログPDFの内容が、HTMLページとしても存在する カタログ掲載ページを確認。PDFのみなら「いいえ」。カタログを配布していない場合は「該当なし」

製造業でつまずきやすい点:1-1は、サイト構築時の初期設定でクローラーが一括で拒否されたまま残っている場合があります。設定した記憶がなくても確認する価値があります。

2. 構造的可読性(5項目)

情報の階層や表が、構造として読み取れるかを確認します。

# 項目 確認方法
2-1 各ページのh1が1つだけである ソース表示でh1を検索し、件数を確認
2-2 見出しの階層が飛んでいない(h2の次にh4など) ソース表示で見出しタグの並びを確認
2-3 製品仕様が表としてマークアップされている(画像化されていない) 仕様表の文字をドラッグして選択できるかを確認。できなければ画像
2-4 製品ページに、型番・仕様以外の説明文がある 目視
2-5 用途・課題からたどれる導線(カテゴリ)が存在する ナビゲーションと一覧ページを確認。型番体系のみなら「いいえ」

製造業でつまずきやすい点:2-3と2-5です。仕様表の画像化は、印刷物のレイアウトをそのままWebに持ち込んだ場合に起こりやすく、2-5は自社の製品体系を基準にサイトを設計した場合に起こります。

3. 引用可能性(6項目)

5つの観点のうち、最も差が出やすい部分です。生成AIが回答の一部として引用しやすい形になっているかを確認します。

# 項目 確認方法
3-1 各ページの冒頭に、前後の文脈なしで意味が通る要約文(120〜180字程度)がある 冒頭だけを単独で読み、意味が通るかを確認
3-2 自社の技術・工法について「〇〇とは」にあたる定義文がある 目視。業界用語を説明なしで使っていないかを確認
3-3 記載している数値に出典が併記されている 数字を含む記述を洗い出し、出典の有無を確認。自社の実測値であれば測定条件を明記
3-4 想定される質問と、その回答が本文中に存在する 目視
3-5 上記のQ&AがFAQPageの構造化データでマークアップされている リッチリザルトテストでFAQPageが検出されるかを確認
3-6 各セクションの冒頭1文が、単独で読んで意味が通る 各節の1文目だけを抜き出して読む

補足:3-4と3-5は分けています。Q&Aのコンテンツは持っているが、構造化データとしてはマークアップされていない、という状態がよく見られるためです。

4. マルチモーダル(4項目)

図版や画像に含まれる情報が伝わる形になっているかを確認します。

# 項目 確認方法
4-1 画像にalt属性が設定されている(型番だけになっていない) ソース表示でalt属性を確認
4-2 工程や仕組みを説明する概念図がある(現場写真だけではない) 目視
4-3 図版の中の文字が、本文にもテキストとして存在する 図で説明している内容が本文にもあるかを確認
4-4 動画がある場合、VideoObjectの構造化データが実装されている リッチリザルトテストで確認。動画がなければ「該当なし」

製造業でつまずきやすい点:4-2です。工場や設備の写真は充実している一方、工程の流れや技術の仕組みを説明する図がない、という状態が起こりやすくなります。

5. 権威性・ブランド(5項目)

情報の発信主体として認識される状態かを確認します。

# 項目 確認方法
5-1 OrganizationのsameAsに公式SNS・企業情報サイトが登録されている ソース内のapplication/ld+jsonでsameAsを確認
5-2 記事・技術情報に、公開日と更新日が表示されている 目視
5-3 その日付が構造化データにも含まれている リッチリザルトテストでdatePublished / dateModifiedを確認
5-4 執筆者・監修者の情報がある 目視。製品ページ・サービスページは「該当なし」
5-5 被リンクが、複数の異なるドメインから得られている 参照ドメイン数を確認。リンクの本数ではなくドメインの数を見る

注意点:5-1は、サイトのフッターにSNSのリンクが表示されていても、構造化データには登録されていない場合があります。表示だけを見て「はい」と判断しないようご注意ください。

5-5について補足します。被リンクは本数ではなくドメインの多様性が問われます。同じ1つのサイトから多数のリンクを受けていても、参照元は1ドメインです。

結果の読み方

スコアの算出方法。「はい」の数を、24項目から「該当なし」の数を引いた値で割って算出する。等級は設けず、観点別のスコアで最も低い観点から着手する。

本チェックリストでは、総合スコアに等級(グレード)を設けていません。点数の高低で状態を断定することが目的ではないためです。

代わりに、次の2点をご確認ください。

  1. 観点別のスコアを見る。5つの観点それぞれで「はい」の割合を出し、最も低い観点から着手します。

  2. 「3. 引用可能性」を優先して確認する。ここが低い場合、他の観点を改善しても引用されにくい状態が続きます。クローラーが到達できても、引用しやすい形になっていなければ回答には使われないためです。

私たち自身も、このチェックリストで診断しました

本チェックリストは、当社の自社サイト(コーポレートサイトの主要2ページ)にも適用しています。作成した側が使わないチェックリストを公開するのは無責任だと考えたためです。結果として、次のことが分かりました。

確認方法を用意しないと、5項目が判定できませんでした。構造化データに関する項目は、表示された画面を見るだけでは判断できません。この経験から、本記事では全24項目に確認方法を併記しています。

2項目で不適合が見つかりました。

ひとつは3-3(数値への出典の併記)です。実績に関する数値を記載しているページで、出典が併記されていませんでした。もうひとつは5-2(公開日・更新日の表示)で、サービス紹介ページに更新日の表示がありませんでした。

いずれも改善に着手しています。チェックリストを作った側でも、確認すれば漏れが見つかります。自社サイトを日常的に見ている人ほど、こうした箇所は目に入らなくなるものです。

このチェックリストで測れないこと

診断結果を正しく扱うために、この24項目で測れないことを明記します。

  1. 引用されることの保証ではありません。チェックリストが確認しているのは前提条件です。実際に引用されるかどうかは、情報の独自性や信頼性、タイミングにも左右されます。

  2. 生成AIごとに挙動が異なります。同じサイトでも、ChatGPT、Claude、Perplexity、Gemini、GoogleのAI Overviewsで引用される状況は一致しません。当社では固定した質問を用いて複数の生成AIで月次の実測を行っていますが、各社の結果は同じにはなりません。

  3. スコアが上がれば引用が増える、という因果関係を示すものではありません。前提条件を整えることと、引用が増えることは別の事象です。

  4. 判断基準は流動的です。生成AI各社の仕様は変化しており、有効な施策も変わります。本チェックリストも見直しを前提としています。

  5. 一部の項目は、目視だけでは判定できません。前述のとおり、当社が自社サイトに適用した際も、確認方法を用意しなければ判定できない項目がありました。

よくあるご質問

Q. LLMOとGEOは違うものですか。

A. 呼び方の違いで、指している対象はほぼ同じです。当社では対外的にLLMO(GEO)と併記しています。4つの用語(LLMO・GEO・AEO・AIO)の定義と使い分けについては、別記事で詳しく整理しています。

LLMO・GEO・AEO・AIOの違いとは? 生成AI最適化の用語を整理する

Q. SEOとは別に取り組む必要がありますか。

A. 別のものとして取り組む必要はありません。本チェックリストの項目の多くは、従来の検索エンジン対策としても有効です。構造化データの実装や見出し階層の整理は、どちらにも効きます。

Q. 何項目クリアすれば十分ですか。

A. 十分といえる基準はありません。本チェックリストは前提条件の確認であり、点数を満たすことが目的ではないためです。特に「引用可能性」の項目から着手されることをおすすめします。

Q. 診断してみたものの、どこから手をつければよいか分かりません。

A. 観点別のスコアを見て、最も低い観点から着手する方法があります。判断に迷われる場合は、後述の診断をご利用ください。

Q. 自社に技術記事を書ける人がいなくても対応できますか。

A. 対応できます。技術的な内容は、社内の担当者への取材をもとに構成する方法があります。

詳細な診断をご希望の方へ

本チェックリストは、ご自身で現状を確認していただくためのものです。

当社では、BtoB製造業を対象に、サイト構造の診断と生成AIでの露出実測を組み合わせた診断を無料で実施しています。診断結果と改善の方向性をレポートとしてお返しし、ご希望に応じてオンラインでご説明します。

  • 対象:BtoB製造業の企業様
  • 費用:無料
  • 所要日数:お申し込みから5営業日
  • お返しするもの:診断レポート(サイト構造の診断結果と生成AIでの露出実測)

生成AI時代のWebサイト設計については、製造業のSEO・LLMO(GEO)対策もあわせてご覧ください。

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