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お客さんは本音を教えてくれない

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しゅうさん

business_kaigi

こんにちは。ディレクターの森内です。
最近は、おかげさまで色々なお客様とお会いする機会が増えてきました。
お客様とお会いする機会が増えるなかで、よくある失敗として、

「打ち合わせが全く盛り上がらない…」
「本音を言ってもらえない…」
「なんとなく気まずい雰囲気になってしまう…」

他の営業担当者にも聞くと、よくあることみたいです。
ぱっと思い浮かぶだけでも、

・私の準備不足
・トークスキル
・見た目が信用できない
・なんかウザイ

など、色々と原因が考えられるのではないでしょうか。

打ち合わせが盛り上がらない要因

上記以外にも、盛り上がらない要因として
「お客さんからそもそも「警戒」されていること」
があるのではないかと思います。

そんな思いを持つなか、時を同じくして、面白い図式を発見しました。

(参考記事)東洋経済Plus「聞き役に徹することがトップ営業への近道に

これは、顧客と営業の関係性レベルを図に表したものです。

関係性のレベル1 警戒「大丈夫かな?」

関係性のレベル2 安心「この人は安心だ」

関係性のレベル3 親和「この人は相性がよい」

関係性のレベル4 信用「この人は信用できる」

関係性のレベル5 信頼「この人は誰よりも味方になってくれる」

初回の打ち合わせは「この人大丈夫?」という印象から始まるということなんですが、
なるほど!と合点がいきました。

関係性レベルを4から5に変化させるのは非常に難しく、
偏差値72を77にするような難易度なんじゃないかと。

ただ、実感としてレベル1の警戒からレベル2の安心に持っていくことも難しいと感じています。

なぜなら、マイナスの関係性をプラスに転じる必要があるからです。
(私の力量が足らないということは、ここでは一旦、脇に置かせていただきます。)

お客さんから警戒されていると、打ち合わせ以外でも、大きな弊害がでてくるのではないでしょうか。

お客さんの[警戒]は営業支援システムにも影響する

お客さんから警戒される弊害のひとつとして、「お客さんの本音をヒアリングができない」という事象が挙げられます。

これは営業支援システムを利用して営業活動を管理していく上で、非常に大きな課題になります。

ひとつ例を挙げましょう。

ここに、営業担当者にとって興味深いデータがあります。

(参考記事)日経ビジネス「お客さまの「予算の壁」を突破する方法があった」というものがあります。

提案を受けたが発注に至らなかった会社について、「営業担当にどのように説明しましたか?(建前)」と、そして、「提案を断った本当の理由はなんでしたか?(本音)」の2つの問いに答えてもらったそうです。

上記の調査の結果として、一番多かったのは「他社が安かった」「提案の内容が要件にあわなかった」というものなんだそうです。

お客さんは営業担当者に建前として、とりあえず、断る理由として伝えている、とも書かれています。

そして本音では、「費用対効果があわない」「既存の取引先のほうが安心感があった」などが、
本当の理由として明かされています。

これは、本来お客さんと議論すべき話題(例: 費用対効果)にまで営業担当者が踏み込んでいないケースが多い、という事を指しています。

これはつまり、顧客とぶっちゃけた話ができるまで、営業担当者に安心、信用がないということです。

このような事態が、お客さんの正しい実態が、組織として把握ができない事につながるのでは、と思いました。

営業支援ツールに本音が入っているか?それとも建前が入っているのか?

ここで「営業支援システム」の話になるのですが、営業支援システムを利用していると、当然失注理由の収集を行うことが推奨されてます。もし適切な本音ベースの会話ができないと失注理由の正確な把握ができないことにつながる訳です。

本来であれば、正しい失注理由の理解・分析から、サービス・商品の改善、営業体制の改善を行うサイクルが機能しなくなるなど、システム以前の問題がでてくる。

営業組織に属していると、失注理由は何?と聞かれると、価格が・・、サービスが・・、
機能が・・、時期が・・みたいなトークが繰り広げられ、営業支援システムにデータが入るわけです。

しかし、顧客の本音に踏み込めていない場合、そのシステムに入っているデータが
組織として信用していいデータなのか、とたんに怪しくなります。

営業支援システムに入っているデータが、顧客の本音が集まったデータなのか、
それとも建前で構成されたデータなのか、データのクオリティに関して、一度、立ち止まって考えてみる必要があります。

さいごに

今回の記事は何か解決策があるわけではなく、問題提起的な内容だったのですが、おいおい解決策についても触れたいと思います。他の会社さんでは、どのような形で営業組織を運営し、営業支援システムを活用されているのか、ぜひ情報交換させていただきたいです。

ご意見お待ちしております。

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