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D2Cを「編集」の視点から考える

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安藤瑞基

はじめに. D2Cって何?

最近度々耳にする、「D2C」(Direct to Consumer)という言葉。みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

「世界観を届けよう!」「メーカーが自分たちでブランドを作ろう!」

様々な場所で声高々に叫ばれているパワーワード、「D2C」。とはいえ、「そもそもD2Cとは何なのか?」という問いを考えてみたことがある人は少ないのではないでしょうか?
そんな中、今回Takramのディレクターである佐々木康弘さん著書『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』を読んだことをきっかけとし、考えたこと、日々生活する中で感じたこと、それらをまとめて文章にしてみようと思います。

佐々木康弘さん著書
D2C「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略

rachit-tank-2cFZ_FB08UM-unsplash

1.いつもある近所のお店がなくなる

「最近人も店舗もなんかガラガラだね。」

先日R先輩と休み時間に街中を歩く中で、そんな会話をしていたことをふと、思い出しました。
弊社オフィスのある表参道、以前は店も人も混じりあい活気に溢れた場所。そんな場所もコロナの影響で、あの店も、この店もいくつもの店舗が廃業や移転を余儀なくされ、以前の活気が失われつつあるように感じます。

「あの人たちはどこにいったのだろう?大丈夫かな?」

DX(デジタルトランスフォーメーション)の波が訪れる中で変化しつつある商習慣やライフスタイル。
以前までの顧客とのコミュニケーションとは、何かが変わってきている。
そんなことを考えます。

2.これまでの消費活動と何が違うのか?

圧倒的に違うと感じるのは、以前までの「プロダクトがスタートにあり、それをマスで発信する」形から「共感を呼ぶストーリー(伝えたい物語や目的・大義)が起点にあり、各チャンネルによる永続的な発信やプロダクト開発を行う」というプロセスに変わってきていることだと思います。

従来であれば、プロダクトをスタートに大きな企業やブランドが広告代理店を通して社会に対して幅広くインパクトの高いコンテンツを発信(プロモーション)することで、販売への促進を促していました。
要するに、マスに対する一つの強いメッセージでブランドを認知してもらうことができていた、ということです。でもそれは、新聞広告やテレビ雑誌など消費者が情報を得られるチャンネルが少なく、限られていたから。

現在では、SNSの普及により情報のルートが細分化されていく中で、情報の統制は取りにくくなり、一つのチャンネルだけでの情報発信ではブランドの認知を確立させ、多くの方に周知してもらうことは難しくなってきています。

そのため、各チャンネルごと永続的に編集されたブランドの思いとストーリー(物語や世界観)を届け続けることでしか、消費者の共感を呼び理解を得ることは難しくなってきていると言えるのではないでしょうか。

私自身、実家が美濃焼(陶器)の小さなメーカーであることもあり、「ブランドとは何か?」「どうしたら消費者によりよく自分たちの価値や世界観をコンテンツとして永続的に届けることができるのか?」といったことを考えることがあります。
また、そのなかでプロダクト先行型での発信の難しさを身にしみて感じてきました。
例えば、「この色や模様は世界でも、自分たちしか出せないんだ!それを発信したい!」と作り手ベースでこだわりを述べてみたとしても、受け取る側からしたらその柄が好みではなければ、たとえそれが世界で唯一のものだとしても、「そうなんだ!」で終わってしまいます。

プロダクト先行型の発信からは共感は生まれず、ブランドとは決してなり得ない。
いい物を作る担い手として地位を気づいてきた日本各地でこのようなやりとりは数多くおきているのではないかと考えます。

「ものが良いのに売れない。」時々耳にするこの言葉も、小売を通して販売を行ってきたこれまでの商習慣から、オンラインの普及によるメーカーから顧客へのダイレクトな販売が可能になったことで顕在化されてきた言葉だと思います。

3.実際にどんな難しさがあるのか?

とはいえ、メーカーから顧客へダイレクトな販売が可能になったからといえ、急に自分たちの想いを日々届けたり、メディア化しそれをプロダクトに落とし込んでいくことは、決して簡単なことではないと考えます。
そんな時に必要な視座が、デザインでもコンサルでもなく、「編集する」ことができる人。そんなことを考えるニュースをみつけました。


2018年5月、男性向けカルチャー誌『POPEYE』元編集長の木下浩氏がユニクロの執行役員に就任すると報じられました。彼はユニクロのブランディング、マーケティング、店頭のコミュニケーション、商品デザインなどを含む”編集”に取り組むとされています。
このニュースが示唆することは、ブランドが「メディア化」するということ、そして編集能力を持った人材がメーカー及びブランドには必要だということ。そんな流れを感じることができるニュースでした。

こういったことを理解すると、世間で「twitterをやろう!」「公式instagramを始めよう!」というムーブメントはあれどただ闇雲に取り入れることは無意味である、あるいは逆効果にすらなる、ということが分かります。

どうやって「編集」をし、どうやって「メディア化≒ブランド化」をして消費者に届けていくのかを考える。そして、それを届けるためのツールとしてのSNSがある、ということを忘れてはいけないのだと思います。

4.まとめとして

「結局編集できる人を雇わないといけないんでしょ?」と感じた方もいるのではないかと思われます。確かにそのほうが早いし確実なのかもしれません。
ただ、永続的に自分たちの価値を考え続けるためには、まずは自分たち自身で自分たちが提供できる、提供したい体験をイメージしてみることが大切なのかもしれません。

例えば、少し大きめのサイズの平皿で考えてみた場合、その平皿を使っていつ、どんな人が、どのように使ってくれたら嬉しいのか。それを言葉にできると、消費者の方に選んでもらう理由を描くことができます。

まずは、使っている人をイメージすることがなによりも大切。そしてそれを少し下手でも言葉とイメージをデザインし伝えていくこと。この積み重ねが「D2C」と呼ばれるものの根本になってくるのだと、私は考えます。

sarah-dorweiler-Sy8dsVyiPgs-unsplash

6.おまけ

弊社でも、Shopifyの立ち上げ〜運用支援などを実施しております。
ECやコンテンツにご興味がある方、是非以下の記事を御覧ください。


innovator japan × shopify
「ECストアの導入とコンテンツ運用・編集オペレーション」

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